2012.12.30
静おばあちゃんにおまかせ 中山七里
静おばあちゃんにおまかせ (2012/07/12) 中山 七里 商品詳細を見る |
内容説明
神奈川県内で発生した警官射殺事件。被害者も、容疑者も同じ神奈川県警捜査四課所属。警視庁捜査一課の葛城公彦は、容疑者となったかつての上司の潔白を証明するため、公休を使って事件を探り出したが、調査は思うに任せない。そんな葛城が頼りにしたのは、女子大生の高遠寺円。――円はかつてある事件の関係者で、葛城は彼女の的確な洞察力から事件を解決に導いたことがあった。円は中学生時代に両親を交通事故で亡くし、元裁判官だった祖母の静とふたり暮らしをしている。静はいつも円相手に法律談義や社会の正義と矛盾を説いており、円の葛城へのアドバイスも実は静の推理だったのだが、葛城はそのことを知らない。そしてこの事件も無事に解決に至り、葛城と円は互いの存在を強く意識するようになっていった――(「静おばあちゃんの知恵」)。以下、「静おばあちゃんの童心」「不信」「醜聞」「秘密」と続く連作で、ふたりの恋が進展する中、葛城は円の両親が亡くなった交通事故を洗い直して真相を解明していく。女子大生&おばあちゃんという探偵コンビが新鮮で、著者お約束のどんでん返しも鮮やかなライトミステリー。
面白かったですよ。ミステリーは好きだけど、サスペンスは苦手。だけど、この作品は、私にとっては、エンタメで良かったです。
最後は「う~む」それでいいのかと思いはしましたけれど。
この人のことだから、またまたどんでん返しがあるのかと思いきや。
最後のファンタジーだよりな部分を除けばよかったかな。
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2012.12.30
ゼラニウムの庭 大島真寿美
ゼラニウムの庭 (2012/09/15) 大島 真寿美 商品詳細を見る |
内容説明
人は永遠の若さを願うけれど。
彼女の秘密はあまりにも切ない。
2012年本屋大賞第3位『ピエタ』に続く、大島真寿美の次なる傑作。
おそらく、信じてはもらえまい。こんな話、信じるほうがおかしい。でも、たしかに彼女はそこにいる――
双子の妹は、その存在をひた隠しにされて育てられた。
秘密の存在は、それを知る人々に、何もなければ意識せずに済んだはずのことを見せつけ、深く、大きな影響を与えていく。
生きることの孤独と無常、そして尊さを描き出す物語
この表紙と「嘉栄」の軽さのギャップ。わざと、このギャップを創りだしたのか。
普通に考えると、かなり辛い現実だけれども。
それに相反するような、彼女の、あっけらかんとした性質。
2012.12.23
レディ・マドンナ東京バンドワゴン 小路幸也
レディ・マドンナ 東京バンドワゴン (2012/04/26) 小路 幸也 商品詳細を見る |
内容(「BOOK」データベースより)
齢八十を越えてもなお堀田家の大黒柱として、古書店“東京バンドワゴン”を切り盛りする勘一。そんな勘一をお目当てに通ってくる女性が現れて、一家は色めき立つ。しかし、その出会いが思わぬ家族の秘密を連れてくる…。さらに、蔵から大事な稀覯本が盗み出されて、店は大混乱。次々に新たな謎が舞い込む堀田家を救うキーワードは「母の愛」。女性のパワーで家族の絆を結び直す、待望の最新作
シリーズ第7弾です。
毎回楽しませてもらってます。今更ながら思うけど、オシャレな「渡鬼」っぽい。だけど、東京バンドワゴンには、わからず屋はいないもんね。
なかなか、「LOVE」って持続させるのは、難しい。こんなに、家族とはいえど、他人が入り乱れて、円滑に生活するには、並大抵の「LOVE」では、続かない。
気は抜けないけれど、「LOVE」を得るためには、多少の我慢も必要か。この家族であれば、一人ひとりが理性的なんで、我慢できる。
2012.12.23
願かけネコの日 那須田淳
願かけネコの日 (ティーンズ文学館) (2011/12/07) 那須田淳 商品詳細を見る |
内容紹介
おれ、山室浩輔。テニスの試合に勝ちたくて願かけに行ったのに、がけから落ちて死んじゃったみたいなんだ。トコトンついてない。でも、三途の川まで来ると、「待った」がかかった。願かけしたんだから、責任取れってさ。でも、どうすりゃいいんだか……。
三つのお願いを、神社で願かけしたコースケ。気がつくと、うすいもやのたちこめる、川岸に立っていた。作務衣を着た、へんなネコが現れて、いった。「あんたは、もう死んでいるのだよ」え、ええーっ。そんな…、うそだろーっ。いろいろダメ男なコースケの、起死回生の物語。
タイトルだけ見て、かりてきたんだけど。面白かった。
死に直面しないと、行動に出せなかったんだよね。
テニスには、というかスポーツ全般に興味がないけれど、なかなか興味深い青春ストーリーでした。
2012.12.16
キオスクのキリオ 東直子
キオスクのキリオ (2012/10/10) 東 直子 商品詳細を見る |
内容説明
キオスクで働くキリオ。人生のコツは深刻になりすぎへんこと。ノーと言えないおっちゃん、彼の元には、なぜかさまざまな人が訪れ、彼に無理難題をもちかける。彼は言う。人生のコツは深刻になりすぎんことや。不思議な短篇連作。
癒された~。
こういう心持ちで、生きていたい。難しいけど。
ありのままを、すーっと受け入れて、それに、感情がブレる事もなく。そんなんで、生きてて何が楽しいの?と言いたくなるけど、この、世知辛い世の中、そういう技を持っていないと、倒れてしまう。
雨が降れば、「あ~雨やな~」。太陽がでれば、「あ~暖かくて気持ちいいな~」。風が吹けば「爽やかやな~」とか、そういうぐらいの、穏やかな感情の動き。
2012.12.16
クラウドクラスターを愛する方法 窪美澄
クラウドクラスターを愛する方法 (2012/10/19) 窪 美澄 商品詳細を見る |
内容紹介
「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。
誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。
その原因は……
激的に人生がガラリと変わるなんてことは、そうそうない。ゆっくりと、自分のリズムで克服したり、成長できればいいと思わせる物語でした。
自分の性質に合わないものを、見て見ぬふりをして、「大丈夫、大丈夫!」と受け入れていくふりをしてると、絶対に、ほころびてくる。
そういうの、わかってるくせに、ついつい、繰り返してしまう。それで、こわれる。その都度、もうやめよう、嫌なこととは、はっきりと決別しよう・・・と決意するのに、また繰り返す。
いつか、クリアできる日がくるのかな。
2012.12.16
芳一 堀川アサコ
芳一 (2012/11/16) 堀川 アサコ 商品詳細を見る |
内容紹介
橘三位時世は、琵琶法師の芳一と相撲人の桜太丸を連れ、京から鎌倉にきていた。芳一が足利義詮の前で琵琶を鳴らすと、虚空から「東勝寺」の亡霊が出た。霊が消えた次の瞬間、義詮が消えていた――。芳一は大殿を人質にとられ、三日以内に義詮を連れ戻すよう命じられる。あてもなく鎌倉の街を探る芳一は、元武士の煎じ物売りと出会い――。
時代小説愛好者、絶対の必読書! 新たなる才能が描く圧巻の歴史ミステリー!
新たなイメージです。今まで、超ネガティブで薄暗いイメージだった芳一に、燦然と光があたっている感じ。
こういう、破天荒な芳一があってもいいのかも。何か、シリーズ化して、もっとアドベンチャーを味わいたい気分です。
2012.12.09
想い出あずかります 吉野万理子
想い出あずかります (2011/05) 吉野 万理子 商品詳細を見る |
内容(「BOOK」データベースより)
海辺に住む不思議な女性と女子高生の、切なくも幸せな出会い―。嬉しいのに涙が出て、傷ついても信じてみたい。自分にそんな感情があることを、初めて知ったあの日。こんなに大事な想い出も、人は忘れてしまうもの?毎日が特別だったあの頃が、記憶の海からよみがえる。
表紙からイメージすると、切ない青春モノなのかと、おもいきや。
かなりのファンタジー。サラリと忘れてしまうような、設定ではあったけど、日々の生活に疲れていると、これぐらいのが、心に響く。いい加減、大人なんで、涙なんてこれっぽっちも出ないけど、心がざわつく。
どうしても、思い出せない、思い出って、もしかしたら・・・。
2012.12.09
学園大奥 宮木あや子
学園大奥 (実業之日本社文庫) (2012/04/05) 宮木 あや子 商品詳細を見る |
内容紹介
全世代の女子に捧げるハイテンション学園コメディ
女子校に憧れた和実は、猛勉強のすえ中の丸学園に合格。だが入学すると、
学園は共学になり、「大奥」と呼ばれる生徒会に牛耳られていた!
憧れの「上様」はまるで雲上人。クラスメイトは外部入学者に冷たい。
さらに、大嫌いな幼馴染み・鼻くそギルバートに愛を告白されてしまい……。
子どもから大人まで全ての女子をときめきと笑いの渦に巻き込む、学園ラブコメの決定版!
[解説・豊島ミホ]
ぷぷっ
こういうのも書くんだね。超楽しかった。私の場合は、和実の親の世代だけれども、懐かしい部分も多々あり。
ありえないことではあるけど、こんな学校、楽しすぎる。
YAによくある、説教じみた青春モノではなかったんで、よかったかな。
・・・フフフ 上様の入浴シーンも・・・。
2012.12.09
パンとスープとネコ日和 群ようこ
パンとスープとネコ日和 (2012/04/15) 群 ようこ 商品詳細を見る |
内容紹介
母を亡くした50歳のアキコは、編集の仕事を辞めて調理師免許を取り、母が経営していた食堂を継ぐことになった。従業員は近所に住むサバサバした性格でよく気がつく真面目なしまちゃんの一人だけ。メニューは2種類から選ぶボリュームのあるサンドイッチとスープ、サラダ、小さなフルーツのすっきりシンプルなもの。食材はできるだけ無農薬もしくは低農薬のものを使って、色々な評判に揉まれながらもアキコなりのこだわりと誇りを持って働き続けていた。そんなある日、生まれてこの方一度も会ったことのなかった、今は亡き実父の話しを聞くことになり、アキコの異母兄弟が住んでいる町まで出向くことに。一方、唯一の家族であるネコのたろちゃんには異変が起こり・・・・・・。
ぎゃーもー、かもめ食堂よりもこっちが好きかも。・・・ネコがでてくるからかな・・・
たろちゃん、かわいすぎ。胸にしがみついてくるシーンなんて、何回も何回も、読みなおして、かわいさに打ちひしがれてました。(進まないし)
前のエッセーと、かぶっちゃって、しまちゃんが人間なのか猫なのか、こんがらがったり。それも、楽しかったけど。
動物かってると、なかなか自由な生活ができないけど、それよりも、日々のストレスを癒してくれる、絶対的な何かをもってると思う。実際、癒されてるし。
だから、お別れって辛すぎる。